アメリカと日本の開発事情の違い

海外にはETA(Estimated Time Of Arrival)という言葉、つまり到着予定日という意味合いになるが、海外の開発現場でも使われている。

それはどれくらいに開発が完了し、機能実装されるかということを意味するが、それは日本でいう納期という言葉とはニュアンスがかなり異なる。

納期は日本では基本的に絶対に近い形で認識されており、納期を守るために努力する。

一方ETAには絶対という概念はなく、あくまで予定であるのでもしETAまでに実装ができなければそれを伸ばすか、機能を削るということになる。

この差は文化的なものが一番多いと思われるが、ソフトウェア開発という不確定なものを扱っている以上ある程度正当性がある。予定は予定でしかなく、実装を進めていれば必ず問題が出たり、期間は前後する。

MicrosoftでもETAをベースにした開発が行われている。アジャイル開発も当然のように行われている。

このようなアメリカ(といっても会社によってかなり差は出ることは前提になるが)の開発スタイルで開発されたプロダクトを日本人が使っていると機能の不具合の改良に対して誠意がないように感じる部分もあるかもしれないがそういったスタイルの違いを日本人が受け入れた方が幸せになれそうと感じた。

もちろん、情報システム部などシステムを推進・管理する立場からすればたまったことではないのは理解できる。日本ユーザーが不具合に対して寛容的でない為、その不満は社内の担当者に向けられてしまう。

一方ユーザーがソフトウェアの不具合やバグに不寛容なままでいるとシステム構築側は完璧なシステム設計・実装など難しいにも関わらずそれを目指さなければならずそれは開発スピードに跳ね返ってくる。

アジャイル開発・リーン開発のような手法には「最初から完璧なものは作れないし、わからないので早めにユーザーのフィードバックを受ける」というような発想があるが、今の日本人には相性が悪そうに感じる。

ソフトウェア開発への理解と、不完全を許容する文化の醸成は日本のソフトウェア開発シーンを育てる一助になると感じた。

コメント

Copied title and URL