今回から営業の心理学シリーズをやっていきます。

テレアポが辛い。アポも取れないしなんでとれないかわからないので先も見えない。
成績も悪くて上司や先輩もあたりが強いけどどうしていいかわからない
という方も多いのではないでしょうか?
最近普段営業の僕が実際に初接点のテレアポを受けてすんなり承認した例を元に、顧客の心理状態ってどうなっているんだろう。
どうやったらアポが取りやすくなるのかという点にフォーカスして例を元に解説してみたいと思います。
まずは実際のテレアポシーンをご覧ください(()内心理描写に着目)













こんな流れでした。僕が初対面からアポイントに応じるまでの流れです。
別の人が来るということなので、最近はやっているインサイドセールスの方ですね。
実際このテレアポで僕は初接点にも関わらず嫌悪感は特にありませんでした。
このテレアポに流れからわかる事がたくさんあるのでテレアポに悩んでいる人は参考にしてみてください。
テレアポでアポイント獲得までの構造を考える【現場の心理を探る】
この流れを営業側からみると構造的にはこのように分解できます。
①担当者把握
②担当者接触(受付突破)
③話を聴く動機を与える(+を与える・-を避けるもの)
④顧客の課題解決の為の仮説の提示で期待感をあげる
⑤具体的な日程調整や詳細情報のヒアリング
という工程で進んでいます。
実際このシーン一つでも営業にとって大切なステップが含まれています。
そもそも新規のテレアポは成功確率の低い営業手法です。
優秀な人でも3%くらいとれたらいい方なのではないでしょうか。
アポイントまでは営業と言いつつ、マーケティング的な側面があります。
どのようなリストにあたるかで商品に対するトークも変わってくるアポイントの難易度も変わってくるからです。
人材サービスでアプローチするなら「求人情報を出している」リストにかけるなど確率が高くなりやすいリストを選択することは非常にだいじです。
それとリストに対してどうやってアプローチするかのかけ算で決まります。
今回の場合「以前営業がアポイントを取った会社でニーズ時期が聞けているリスト」に「販促的な課題がある・もしくは生まれる予定がある」というリストにかけていたとしたら精度は高くなりそうですよね。
一方電話帳の上からかけていくだとほぼとれないとおもいます。
という前提はありますが今回は営業を受ける側の心理状態について焦点を当てていきつつヒントをつかんでいただければと思います。
とりあえず聞いてもらえる・担当者に取り次いでもらえる理由を与える
まずかける時に大事なのは「ちょっとなら話聞いても(取り次いでも)いいかな?」と思ってもらうことです。
上記の例でいうと「以前社長と話している」というところと「サービス拡販に向けて役に立てます」という2点の動機づけがありました。
人間の傾向として
■プラスのことが手に入るということに動機を見出しやすくなる
■マイナスの事態を避けるということに動機を見出しやすくなる
という2パターンに分類されます。
組織の場合特に、上の人のに迷惑をかけることを避けたいという欲求が強いです。
上記の例の場合、プラスもマイナスもしっかりと考慮しているので「とりあえず聞いてみよう」という動機に繋がっています。
一度社長と話ししている→「下手に扱ったら社長に迷惑かけるのは避けたい。聞いておこう」
→「とりあえず聞いてみよう」もらえる動機を作っている
貴社の拡販に役に立てる→「確かに拡販の時に役に立ったらいいな。自分のミッション的にもプラスだ」
→「具体的に話をしてみてもいいかなー」という動機を作っている
といううまくマイナスを避けるのとプラスが欲しいという心理的欲求に刺激を与えていることが分かります。
ここであなたに役に立てますよ!という仮説を伝える
とりあえず聞いてもらえる状況が作れたら
「あなた(貴社)はこういうこと望んでんじゃない?ここで私(弊社)が役に立てますよ」
ということを伝えることが大事ということも見えてきます。
この仮説が当たっていれば、「会ってみよう」となりますし、違ったら「いや別にうちには必要ないな」となります。
当たるにせよ当たらないにせよ
顧客にとって困りごとを解決できること、望みをかなえられそうなところって何?
という質問に対して答えを持っておくか、おかないかで大きく変わります。
外れても「いや実際こうなんですよ」という現状を聴けますし、当たってたら「よくわかってんじゃん!」という信用を得ることができます。
考えもしてなかったという人は是非考えることをおすすめします。
ちなみに法人営業の場合、組織的動機と個人的動機も両方走りますので少しややこしいです。
個人的には聴きたいけど、組織的には上司の手前アポイントを承諾できないということもありますのでどちらもカバーできていることが望ましいですが組織的動機を満たすことが必要条件ですね。
ミッションとして与えられていることがあれば、それを満たすことが義務だし強制力も高いからです。
心理学的にはマイナス状態を避けるという方が人間やる気が高くなりやすいので、そういったことがつけることが一番でしょうね。
担当者を把握しておくのはテレアポのハードルがかなり下がるから
ちなみに担当者把握は担当者に繋がらなかった時に発生します。



というやり取りをしますよね。名前を知っていることで圧倒的につながる率や取り次いでもらえる確率が大きく上がるからです。
上記の例の場合、僕が本来受付の人がでるところいきなり僕が電話にでた為、担当者に直接つながったという事例になっています。
受付の方は営業電話慣れしているので防御力も高いケースが多いです。
野村証券で最年少営業記録を出した「営業」の作者の富田和成さんは営業時代電話する際に「電話番号の1桁台を代表番号からずらす」(企業は連番になってることが多い)ということで受付以外の人に電話をかけてつなげてもらっていたそうです。
受付でない人に向けてつなげることで受付拒否率を下げる。めっちゃ賢いですよね。
動機を与えてしまえば、その後はそんなに難しくない
実際上記のように動機まで与えてしまえば日程調整をすればいいので後はそんなに難しくないです。
後はいつ話すか・アポイントを取るかを温度感が冷める前に決着をつけるだけです。
上記の例だと「今ここで日程を伺って調整させてください」と申し出てますよね。
全く動機づけがされていないと、拒否反応が出ますが動機づけされていれば違和感もありません。
ここで心理学的なテクニックを混ぜるとしたら、「ダブルバインド」という手法はよく営業現場で使われています。

という形で、日付を複数提示して選ばせることでアポイントを入れないという選択肢をさりげなくなく考えづらくしています。
もちろん動機付けあって(信頼があって)のテクニックです。
テクニック本を読んだ営業マンがいきなり電話してきて

〇〇の件でアポイントしたいんですけど、来週月曜日と火曜日どちらがご都合よろしいですか?
とか前振りなく話してきたらどうですか?

ってなりますよね。
上記の僕がアポイントを承諾した例の場合、いますぐではですが仮説の提示に対してニーズがあったのでアポイントを受けようという気持ちになっています。
ですのでよくある心理学のテクニック本の内容に頼ってそのまま使うのは危険です。
テクニックというのは本来流れがあるものを取り出して拡大解釈されやすいです。
話の流れがあってのテクニックなのでまずは考え方や構造・流れを重視しましょう。
細分化しないから辛い アポとりに分解思考を取り入れてみる
おさらいとして簡単まとめるとアポ取りは
①担当者にとりあえず聞いてもらえる状況を作る
②課題に対する仮説をぶつける(アポイントの動機付け)
③日程調整やヒアリング等具体的アクションを定める
という順番で成り立っています。
これは営業に関わらずだと思いますが自分がどこでつまりやすいかで把握することが大事です。
担当者が把握できないなら、なんとかして担当者把握、そして受付突破までいかなくてはいけません。
担当者にたどり着けてもとれないとしたら課題に対しての解決策の提示がずれているのかもしれません。
どのようなお客さんに、どのような仮説をあてればあたるというパターンを自分の中でお持ちでしょうか?
ただがむしゃらに電話してアポとれなかったらそれはつらいに決まっています。
なぜなら何が間違っているか、あっているのかがわからず改善策も見いだせないからです。
改善策がみいだせないということは希望もでません。
やるきがなくなって当たり前です。辛いのも当たり前です。
分解していけば何かが見えてきます。
ダメでも次のヒントになるので、断られても教えてくれてありがとうという気持ちにさえなるかもしれません。(難しいのはわかりますけどね笑)
そうしてゲームのようにステージをクリアするつもりでやれば、今よりアポ取りがずっと楽しくなるのではないでしょうか?
僕に「営業はここまで分解する必要があるのか!」「仮説と提示による検証が大事なんだ」というのを教えてくれたのは「営業」の著者の富田和成さんでした。
営業マンにとって大事な思考が詰まっているので一度は読んでみることはおススメです。
上記の営業はKindle unlimitedの読み放題作品の一つにも登録されていて、ほかの作品も含め1か月無料で読み放題で見れるのでそちらを利用するのもおススメです。